香港 - 411日、TurnおよびCampaign Asia-Pacificは、プログラマティックバイイングに関するウェビナーシリーズ(全4回)の第一回目を開催しました。この入門セッションでは、プログラマティックバイイングをより深く理解するための基礎編を実施しました。ここにそのパネルディスカッションのハイライトを紹介します。

パネリストは、neo@OgilvyIBM Growth Markets部門アソシエイトメディアディレクター Nick ScottWoolworths Australia メディアマーケティングマネージャー Anna VuongTurnのアジア太平洋部門マネージングディレクター Cindy Dengです。司会はCampaign Asia-Pacificのマネージングエディター Jason Wincuinasが務めました。

Turn Webinar - To RTB or DSP - That is the programmatic questionここに紹介するのは、収録内容の一部を編集したハイライトです(ウェビナーの全収録内容はこちらでご覧になれます):

Wincuinas:皆さんは、それぞれの職務において、プログラマティックバイイングをどのように定義されていますか?

Vuong:私にとってプログラマティックバイイングとは、基本的に複数のデジタルプラットフォームを通じて自動的にメディアを購入するプロセスです。その主要な能力は、オーディエンスのプロファイルに基づいて、潜在的なターゲットオーディエンスに広告を配信できることにあります。

Scott:プログラマティックはデジタルやオンライン広告に直接結びつけられたものと考えられていますが、必ずしもそうではありません。プログラマティックでラジオ広告や広告掲示板を購入するケースも出始めています。オンラインメディアだけに使われるとは限りません。

Deng:この世界には人間が効果的に処理できないほど多くのデータとインベントリが溢れているので、プログラマティックは今や不可欠な技術となりました。自動化プロセスを助けるために登場した技術です。

Wincuinas:それ以外の様々な用語や略語、DSP、RTB、DMPなどはどう定義しますか?

Deng:RTB [リアルタイム入札] は一つのルールと言えます。1つ1つの広告インプレッションをリアルタイムで評価、購入、販売する方法です。DSP [デマンドサイドプラットフォーム] とSSP [サプライサイドプラットフォーム] はそれを支援するものです。これらはスペクトルの両端で機能します。どちらもプログラマティック取引を可能にするテクノロジーです。DSPはデマンドサイド、すなわち広告主によって使用され、どの広告インプレッションを購入するか、いくらで入札すべきか、その決定をアルゴリズムに基づいて助けます。SSPサイド:これはパブリッシャー側です。パブリッシャーがサイトで生成する各インプレッションに対して、販売価格を最大限高められるようにします。

DMPは、データマネジメントプラットフォームの略です。私の考えでは、本物のDMPが備えるべき2つの主要能力は、まず、オンラインまたはオフラインでCRMデータ、POS(店舗販売時点情報管理)データ、オンラインデータ、ウェブトラフィックデータ、デジタル広告費、パフォーマンスなど、異なるデータソースを結びつけられること。

次に、セグメントデータに対する様々なルールを異なるプロファイルに組み入れ、これらの各セグメントにインサイトと分析を提供することです。

Vuong:これを理解する一番簡単な方法は、こうした技術や集約ツールが登場した背景に、大量のインベントリがあるということを認識することです。パブリッシャーが何億ものウェブページを作成し始めたとき、そこには売れ残る広告枠もありました。これは、広告ネットワークが広告主と広告代理店に売り込みをする販売代理店のように働く転機を作ってくれました。この方法なら大量のインベントリを簡単に購入できます。

ところが広告ネットワークが増えすぎると問題が生じます。複数の異なる広告ネットワークと取り組みを行わう必要があり、その効率が低下してしまいました。ターゲティングするオーディエンスのネットワークの間には重複がありました。効率を求めるニーズの高まりを理由に、プログラマティックバイイングが登場し、バイヤーとセラーにとってインベントリではなくオーディエンスを取引する機会を生み出したのです。

Wincuinas:クライアントがこのテクノロジーを採用する際に、代理店が直面する障害にはどういったものがあるでしょうか?

Scott:私個人的には、オンサイトで購入しオーディエンスが来るのを期待しながら待つ、5、6年前のオンライン時代から頭を切り換えるのが大変でした。今では、テクノロジーとデータによって複数のサイトでオーディエンスを本当に絞り込めるようになりました。

Vuong:ブランドの立場として、それからテクノロジーや電話通信会社の話は避けて言うと、大半のマーケターは広告ネットワークとDSPのことを知っていますが、名前は知っていても、本当は何であるかをそれほど熟知していない場合がほとんどです。データの使い方やそれをマーケティングの推進に活かす方法を十分に理解しないまま、マーケターが実行している項目のひとつにすぎません。

Wincuinas:どのような形のビッグデータが利用可能で、実際にはどのように使われますか?

Deng:どんなキャンペーンにも適用できるデータは山ほどあります。私たちはいつもブランドのデータから始めるようアドバイスしています。オンラインとオフライン、CRMとPOSのデータは、オンライン環境でどのようにユーザーにたどり着くかを理解する上で非常に重要です。データを入手したら、ウェブサイトのデータと組み合わせて、非常に高い粒度でターゲティングとリターゲティングを考察します。例えば、頻度は、どの段階で、どれくらいリーセンシーで、どれくらいのベロシティーにするかを考慮します。ブランドサイトでのユーザーの活動に増減があれば、どちらも関心の段階を示すポイントと言えます。

この後、弊社のシステムに統合されたサードパーティーデータにより、コンテキストデータとサーチデータが提供されます。こうした様々なデータポイントはすべて、ブランドがオーディエンスをより正確に結びつけ、ターゲティングするのに使用できます。

ただし、この段階には重要な、注意すべき点があります。DMPパートナーも、またそれが提供するデータもまだ未熟であるということです。これから日に日に成長するでしょうが、ブランドの観点ではそのターゲットオーディエンスに直接結びつくデータはまだ存在しないかもしれません。今の段階ではまだ市場への適応の余地が多くあります。

Wincuinas:プログラマティックキャンペーンを最適化する際に、考慮すべき主要な要素には何がありますか?

Scott:それは最終目標であるコンバージョン、すなわちユーザーを顧客に変えることがすべてです。鍵を握るのはコンバージョンの最適化です。例えば、コンバージョンの過程のある段階で脱落した人達をリターゲティングすることです。なぜ脱落したか、その理由を対象にするのも一つの方法です。私たちは、コンバージョン経路には3~4つの段階があることを特定し、これらの各段階に合わせるために、異なるメッセージングをターゲットにしました。

Vuong:いかにしてプログラマティックバイイングをブランドキャンペーンに最大限活かすかが、これからの課題です。購買意欲 、ブランド認知度などは、どのように測定すればよいでしょう?CPC、CPRは最適なベンチマークでしょうか?疑問は多く、私たちはまだそれを検証しているのです。

Deng:プログラマティックによるブランドキャンペーンの効果を測定する一つの方法として、キャンペーンの前後にブランドの認知度とセンチメントをアンケートで調査する方法があります。プログラマティックがダイレクトレスポンスに効果があることはすでにわかっていますので、ブランドキャンペーンへの効果は私たちにとっても特に大きなテーマです。

Wincuinas:ブランドは代理店と協力するべきでしょうか、それとも社内にトレーディングデスクを設置すべきでしょうか?誰にとって何がベストな方法でしょう?サイズによるのでしょうか?

Deng:それは本当にブランド次第で、日常的にどの程度関与したいかによります。ブランドがすでにAdWordsを使用中なら、弊社のプラットフォームを利用しそのブランド会社が自社で実行することも可能ですが、毎日キャンペーンを管理する戦略への支援を求めるのなら、初めに代理店と協力するのもよい方法でしょう。

代理店に質問して、可視化とサポートを提供してもらいましょう。

ブランドは 、代理店を通じて日々のキャンペーン管理をサポートしてもらいながら、同時に透明性とデータポイントを得ることもできます。これを社内で行う準備ができているかどうかはブランド次第ですが、そのためのテクノロジーはもうできています。

Vuong:私はこれがサイズの問題ではなく、タイミングの問題だと思います。Cindy [Deng] さんのおっしゃるとおり、テクノロジーは存在しますが、ブランドとしては投資が必要となります。社内でやるには多くの資源も必要です。社内でやる場合と代理店と協力する場合の必要な人員数も検討しなければなりません。その変化は一日にして成る短期的なものではなく、長期にかけてシフトししていくものでしょう。

Telstra Australiaの場合、メディア代理店と提携して、代理店内にTelstra専用のDSPを構築したと言われています。クライアントとして代理店に出向き、プログラマティック専門のスタッフおよびクリエイティブチームを代理店から採用しました。効果のほどはわかりません。費用は、相当かかったでしょう。このプロセスには3~4年がかかりました。

私の考えでは、サードパーティーのDSPでトライアルとテストを行うか、それとも代理店を通じてそれが会社にとってどれほど重要かを試してから自社にトレーディングデスクを設けるのが一番良いと思います。

Wincuinas:将来はどのような展開になると思いますか?

Scott:利用可能なデータは増え続け、メッセージののカスタマイズが一段と進んで、常に適切な環境で適切なメッセージを受け取れられるようになるでしょう。

Vuong:オーストラリアでは、プログラマティックの需要が確実に増えるでしょう。その次に私にとって大きなことは、新しいチャネルがプログラマティック仕様になることです。例えば、TubeMogulはオンライン動画やテレビの購入をアメリカのプラットフォーム全体でテスト中です。ただし、主な障害として、才能ある人材の不足があります。プログラマティックバイイングを理解しそれに勤める有能な人材は本当に足りません。誰かが辞めると、新しい人を雇うまで、うまく行っても3~4ヶ月かかります。

Deng:皆が効率を求める中、プログラマティックへの前進は自然なことです。テレビに限らず、新しいチャネルへの移入は増えるでしょう。また、プログラマティックの用途はダイレクトレスポンス広告だけではありません。プログラマティックのメディアバイイングはどんどん増えていくでしょう。

オンラインでプログラマティックバイイングのウェビナーを最後まで視聴する

この他のテーマ:

  • DSPと広告ネットワークのメリットの違い
  • B2C、B2Bブランドの総合的メディア戦略にプログラマティックを組み入れる
  • クリエイティブ代理店と新しいテクノロジーの食い違い

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6月に開催予定の本ウェビナーシリーズ第二回もご期待ください。そのセッションでは、代理店におけるプログラマティックバイイングの役割と実装をより深く考察する予定です。

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